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つまり、全社員のコンパーレイシオの分布が、「1.0」をピークに標準範囲の「0.8〜2」のあいだに正規分布していれば、バランスのとれた給与施策が実施されていることを示し、その分布が「0.8」か「2」のどちらか一方に偏っていれば、バランスがとれていない(給与の過小支払い、または過大支払いになっている)ことを示しているわけです。
ということから、コンパーレイシオは「企業の健康診断のスナップショット」であると私は考えています。 さて、業績評価に連動する給与のアップ率についても、社員の総合評価ポイントとコンパーレイシオとをうまく関連させれば、先に述べた昇給に関する人事ポリシーが実現できます。
さて、ボブとレイチェルは同じポジションにいて、そのポジションの給与レンジは「5万〜6万ドル」だとしましょう。 この中間値は「5万5000ドル」です。
二人はこのポジションの新任者だとすると、一般にこのレンジの下限値からスタートします。 ですから、初年度は二人とも給与は「5万ドル」でした。
この給与額のレイシオは、「0.91」(5万/5万5000)です。 そして、1年後の業績評価において、二人は先に記したように評価されたとします。
その「総合評価ポイント」は、ボブが「2.38」(四捨五入して「2」)、レイチェルは「3.6」(四捨五入して「4」)でした(なお、「評価ポイント」を「2.4」「3.6」にし、「表3」をもっと細かい区分にしてこれに対応させる方法もあります)。 この数値を「表3」の「コンパーマトリクス」にあてはめてみると、ボブの昇給率は「2%」、レイチェルのそれは「8%」となります。
したがって、次年度のボブの給与は、5万×(10.02)=5万1000ドルとなり、一方、レイチェルのそれは、5万×(110・08)=5万4000ドルとなるわけです。 同じスタートラインから出発した二人でしたが、1年後には3000ドル(約36万円)の給与差がつきました。

また、昇給によって、ボブの給与のコンパーレイシオは「0.93」になり、レイチェルのそれは「0.98」になります。 そして、さらに1年たちました。
この年度のボブとレイチェルの業績評価は前年度と同じ(「2」と「4」)だったとしましょう。 すると、ボブの昇給率は前年度と同じく「2%」ですが、レイチェルの場合は「6%」に微減します。
それでも、次の年度の給与は、ボブが「5万2020ドル」(5万1000×1.02)レイチェルが「5万7240ドル」(5万4000X.06)となり、業績評価を給与に反映させることによって、2年めで5220ドル(約63万円)まで給与差が開いてしまうのです。

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